大学生って、不思議な期間だよな。
大人でもない、子どもでもない。
中途半端って言われてしまえばそれまでなんだけどさ。
理解できるのは、同じ大学生だけなのかもしれないな。
あなたが屈託のない笑顔でそう語ったあの日。
あなたに淡い恋心を3年間抱き続けた私は、今まさにその想いを伝えようとしていた瞬間だった。
でも、その言葉を聞いた時、伝えることで、そんな居心地のいい関係までも失ってしまうことが急に怖くなった私は、結局再び自分の胸にそっとしまい込んだのだった。
確かに、私達は「恋人」でもなく、「友達」でもなく、そう、それはまるで何でもわかりあえて、何もかも相談できる「親友」というような関係。
一見、安定した関係に見えるけど、そうじゃないんだよ、きっと。
あなたが誰かのものになってしまった時、これまで何気なく出来ていた会話も出来なくなってしまうと、私は思ってる。
あぁ、今の私は、なんとも言えない「切なさ」に押しつぶされそうだよ。
大学を卒業し、一年が過ぎた。
お互いが社会人として、久しぶりに出会った日。
ようやく、「親友」から安定の「恋人」の関係へと進んだ私。
愛してるよ
嬉しいんだけど、なんだか素直に受け止められない私がそこにはいた。
あなたには「大好き」って言葉の方が似合ってた・・・
その時、初めて気づいたの。
私が恋していたのは、「あの頃のあなた」だったんだと。
お互い社会人になって、社会の荒波に揉まれ、色んなこと経験して、あの頃のままの自分でいられるはずもないのにね・・・
私、あなたに「あの頃のあなた」を求めていたみたい・・・
でも、この一年間、私の傍にいてくれたのは、紛れもなく「今のあなた」。
この一年、大好きなあなたと一緒に過ごせて、幸せであったことには変わりはない。
でも、理想と現実のはざまで揺れ動く私がいる・・・
この戸惑いがなくなるまで、あなたの傍に居続けたら、私の中でも答えが見つかるのかな。
あなたからの言葉に心から喜べる日が来るのかしら。
歌手:宇多田ヒカル
作詞:宇多田ヒカル
作曲:宇多田ヒカル